報われなかった人たち
- Takeda Hirotsugu
- 2017年8月31日
- 読了時間: 3分
ちょっと前から、ムン・ヒョナという歌手が気になってました。いい感じに力の抜けた韓国ハウス調の曲をリリースしてるんですが、憶えがあるような無いような名前の、見たことがあるような無いような顔をした歌手だったんです。
なんとも曖昧模糊としてますが、まあ加齢とともにそういうことは増えるものです。
で、8月にリリースされたこの曲のビデオでようやくわかりました。
二人ともモデルみたいな体型で、歌もそこそこ上手い・・・そういえばメンバー全員モデル体型っていうのを売りにしてたグループが確かあったような・・・あ、Nine Musesか?
ムン・ヒョナも、ラップを担当してるイユエリンもNine Musesっていうグループの元メンバーだったんですね。
Nine Musesは僕にとってなんだか掴みどころのないグループでした。
売れてないわけじゃないけど、シーンを引っ張るような存在感はない。
全員美人でスタイルがいいけど、実は案外印象に残りにくい。
つまらない曲とは全然思わないけど、2回も3回も聴きたくはならない。
これだけ残念な要素が重なるのも奇跡みたいなもんですが、それがNine Musesの欠点であると同時に長所でもあったんですね。
彼女たちがデビューした2011年はもう第二次ガールズグループブームの終盤近くで、「売ること」を徹底的に考えて一部の隙もないように作り上げたようなグループがたくさんいました。だけど、そういうのばっかりだと息が詰まるじゃないですか。「中庸の徳」っていう言葉がありますが、まさにそういう感じです。
だけど、本人たちはそんなポジションで安定したくて努力を続けてたわけじゃないんだろうな、とも思うわけです。あの体型を維持するだけでも楽じゃなさそうですからね。
少なくとも、もっとかっこいい売れそうな曲を提供して欲しかったんじゃないでしょうか。
例えばこの曲。
多分僕だけじゃないと思うんですが、出だしで引っかからなかったら(曲調そのものが嫌じゃなかったらってことですが)、前半はすんなり聴けるんですよ。だけと、真ん中あたりで飽きるんですよね。
もちろん、彼女たちの所属事務所であるスター帝国は売りたくて売りたくてしょうがなかったと思うんですが、少女時代やKARAやWonder Girlsを抱えていた大手事務所に比べると規模も小さいですし、なかなか思うように行かなかったのかも知れません。
今Nine Musesは5人組として活動していますが、脱退したメンバーも含め、彼女たちの努力がどこかで実を結んでくれるといいなと思わずにはいられません。
・・・というようなことを考えさせる程度には人を惹きつける力もあるんですよねえ、もったいないことに。
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