HIP-HOPとK-POPの微妙な関係
- Takeda Hirotsugu
- 2017年9月4日
- 読了時間: 3分
韓国ガールズグループのブームというのは3回ありまして、日本に波及したのは少女時代やKARAが売れていた2回目と、TWICEとかが上陸してきた今回のブームです。
一番凄かったのは言うまでもなく2回目なわけですが、聞いていて一番面白いのは今回だと思います。
最初のブームの中心になっていたのはS.E.S.やFin K.L.(ピンクル)、ちょっと下の世代でBABY V.O.X.といったグループなんですが、この辺まではいわゆる歌謡曲っぽい歌が中心でした(末期のS.E.S.はちょっと違う雰囲気の曲も出してますが)。
第二世代の少女時代、KARA,2NE1あたりになると、完全にダンスミュージック志向になって来ていて、歌だけでなくダンスの技術も求められるようになります。
第三世代の特徴は、90年代〜2000年代の韓国HIP-HOPブームを見て育った世代が作った、意外性のあるミクスチャーミュージックになって来ていることだと思います。
え、この曲調でこんなサンプリング入れちゃうの?とか、こんなのとこんなのを混ぜちゃうの?とか、そういう驚きのある曲が多いんですよ。そういうミックスの仕方ってHIP-HOPの発想ですよね。
リリースされたばかりの、GOOD DAYの『Rolly』もそういう感じの曲です。
昔のミュージカルっぽいっていうか、眉間にシワが寄る前のジャズ、余りお品のよろしくない場所でショーとして演奏されていた時代のジャズみたいな雰囲気を冒頭からぶち込んでおいて、中盤からは結構普通に歌謡曲なわけです。ダンスもそういう雰囲気に合わせてあって、なんだか大昔のジョセフィン・ベイカーもかくや、みたいな振り付けもありますね。
多分、こういう大胆なミックスを最初にやったのはOh My GIrlじゃないかと思います。
しかし、今のガールズグループって本当に大変そうですよね。
上の世代の先輩たちが頑張りまくっちゃってくれたおかげで、彼女たちは「歌もダンスも上手いのは基本、可愛くて当たり前、スタイル良くて当然」みたいな、どんどん過酷な条件を課されることになったわけですから。
その弊害として視覚的な差別化ポイントが作りにくくなってきて、行き着いた先が「サウンドの面白さの追求」だったのかも知れません。こういう意外性のある音をミックスして曲を作るというやり方は、どれだけ広い範囲の音楽を知っているか次第で出来が大きく変わってしまうので、プロデューサーの負担もさぞや大きいんではなかろうかと・・・。
余談になりますが、昔僕が韓ドラの記事を連載していた「韓国ドラマ通信」という雑誌のK-POP特集号の付録に、ガールズグループのメンバーをバラバラに印刷したカードがついていました(僕もちょっとだけ企画に参加しました^^)。
バラバラになったメンバーを元に戻してあげられるかやってみましょうという趣旨のブツだったんですが、今のガールズグループで同じことをやれと言われたら絶対無理だと思います。
構成員がやたらと多くなりましたしね〜。
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