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韓国の「シブヤケイ」の話 その4

  • 執筆者の写真: Takeda Hirotsugu
    Takeda Hirotsugu
  • 2017年9月17日
  • 読了時間: 2分

すみません、まだこの話続いてます(笑)。その3で、Garina Projectの「Tell Me, Tell Me」についてちょっと書きましたが、もうちょっと説明させて下さい。

Garina Project解散後にDelight名義で発表した「Tell Me, Tell Me」のオリジナルバージョン、「Happy Birthday To Me」です。といっても、発表されるまで2年経っているので、どこまでオリジナルに戻してあるのかはちょっとわかりませんが・・・。

大きく違うのは、アコースティックギターで静かに始まってサビでいきなり電子楽器が入る構成になっていることと、サビの「Tell me tell me love me, Really like you love me」という歌詞が、「Happy birthday to me, Happy birthday to me」になっていることです。

その直前の歌詞は「一本蝋燭が増えて、皺が一本増えて、一歳年を取って、体重がちょっと増えて、隣に空席が一つ増えて」で、直後の歌詞は「塩飴みたいに甘い言葉、愛してない愛する私に歌って」なので、歌詞としては「Happy birthday to me」じゃないと座りが悪いんですよ。

ところが、この曲をCMに使うとなると話が違って来ます。

パンテーンのシャンプーのCMだったんですが、この映像に「Happy birthday to me」って歌詞がかぶると、何だかわけのわからないことになっちゃいますよね。

インディーズの面白さというのは、商業ベースから距離を置いた趣味性に支えられているものだと思いますが、市場の小さな韓国で趣味性だけに支えられた音楽というのは成り立ちにくく、特にインディーズのまま音楽活動を続けるのはすごく難しかったんじゃないかと思います。Garina Projectの場合、「Tell Me, Tell Me」以前にファンを獲得していましたし、その後も活動を続けているようですが、ハードルはもの凄く高かったんじゃないでしょうか。

その一方で、アイドル歌謡がだんだんとインディーズ系の新しい音作りを取り入れるような動きも出てきます。

一番最初にそれで成功したのはBrown Eyed Girlsの「Abracatabra」じゃないかと思うんですが、この曲のプロデュースにはRoller Coasterでベースを担当していたジヌが参加しています。

ジヌはRoller Coasterの活動と平行してDJをやったり、テクノ系の曲をリリースしたりしていましたから、こういう音作りはお手の物でした。

上手く趣味性と商業性を両立できたアーティストが、純然たる商業ベースのアイドル歌謡に変化をもたらし始めていたわけですね。その変化がなければ、日本であれほどK-POPブームが起こることは無かったんじゃないかと思います。

その辺はまた今度ということで。

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