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韓国の「シブヤケイ」の話 その5

  • 執筆者の写真: Takeda Hirotsugu
    Takeda Hirotsugu
  • 2017年10月1日
  • 読了時間: 2分

韓国で「シブヤケイ」という言葉がぼちぼち目に付くようになった頃、韓国製ハウスも話題になり始めていました。

最初に注目されたのは、トラックメイカー「電子マン」とボーカリスト「ジェイド」の二人組、Romantic Couchです。

ハウスという音楽は80年代にアメリカで誕生し、90年代には世界的に流行しました。ハウスとはどういう音楽かというのを書き始めると結構長くなってしまうので、とりあえずハウスの歴史を3分強にまとめた動画を紹介してお茶を濁しておきます(笑)。

大雑把に言ってしまうと踊りやすい一定のリズムパターンを守ってさえいれば、上に何を被せても結構何とかなっちゃうのがハウスという音楽です(なんでもありなことに異を唱えるアーティストも一応いますけど)。

以前紹介した朝倉さやとか三波春夫とか民謡ベースの音楽だってやり方次第でちゃんとハウスになっちゃうわけです。その分流行の移り変わりも激しく、まさに音楽が使い捨てにされているような感じでした。

そんな中で、叙情的な雰囲気を持った「踊ってもいいけど、聴きながらリラックスもできる」タイプのハウスはクラブとは無関係に一般リスナーにも支持されるようになっていました。

こんな感じの曲です。ちなみに、この曲を作ったフランキー・ナックルズはハウスミュージックの創始者とされるDJです。

冒頭のRomantic Couchこういう種類のハウスですよね。

こういう叙情的な雰囲気を強調したハウスを専門にリリースしていたアメリカのレーベルNAKED MUSICもこの時期人気がありましたし、そういう動きが日本や韓国にも伝わって行ったんでしょうね。

90年代を通じて、ハウスは様々な音楽を混合するためのプラットフォームみたいになって行き、アメリカやヨーロッパ以外の国からもダンスミュージックのクリエイターが登場するようになります。これは「リズムに普遍性があれば、それ以外の要素は多少ローカル色が強くても海外で通用するかも知れない」ことを示唆していました。

これはRomantic CouchのC-Thiscoを元Roller Coasterのジヌがリミックスしたものなんですが、「原曲をバンド演奏でやったらどうなるか」みたいな感じでリミックスしてるんですね。これは日本盤CDのための企画だったようですが、もしもこのバージョンで発売されていたら、さして注目もされていなかったんじゃないかと思います。

韓国ハウスの流行はそう長くは続きませんでしたが、その動きはアイドル歌謡にも影響を与え始めていました。

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